天然歯とインプラント
オッセオインテグレーションの功罪

前々頁、前頁のおさらい。天然歯とデンタルインプラント義歯の比較を行う。
- 【歯髄・神経】
- デンタルインプラント義歯には歯髄がなく神経が通っていない。このことは、咀嚼時の脳に対する刺激がいくらか弱まることも意味するかもしれない。ただ、咀嚼時に顎に加わる力に関しては天然歯と近いものがあるため、刺激の全てがなくなるわけでもない。現に、咀嚼時の唾液分泌等は正常に行われるようだ。
- 【歯根膜】
- デンタルインプラント義歯には歯根膜がない。この組織は歯槽骨と歯根の間にある神経膜である。歯に加わる荷重を感じるのはこの組織があるからで、過荷重を避けるセンサーの役割をしている。単純に物理的なクッションとしての役割も果たしているため、天然歯と比較してデンタルインプラント義歯の咀嚼時の衝撃は、(1)脳の監督を受けずに無制限に(2)かつ直接的に、顎骨に伝わる。このことがただちに何を意味しているのかは定かではない。 もう一つ、歯根膜がないため、天然歯よりも感染リスクが高いという記述を見つけたが、その論理的な根拠は私にはわからない。思うに歯根膜という神経膜がないため、感染時に察知し辛いということだろうか。あるいはこの歯根膜が単純にシール材としての役割を果たし、雑菌が侵入しにくいということなのかもしれない。
総じて歯根膜が存在しないことが、大きなポイントのようだ。
歯根膜誘導型インプラントなる方式も研究開発されているらしいが、詳細は不明。ただ、現時点もっとも普及しているオッセオインテグレーションインプラントはフィクスャーと顎骨が完全に一体化していることによって成り立つものだから、歯根膜を誘導することは困難なのではないかと思う。恐らく、全く新しい治療技術なのだろう。期待したい。
